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スピッツ ライブレポート

SPITZ JAMBOREE TOUR 放浪2000
2000/09/23 赤坂BLITZ(2日目)
レポ by ハヤブサさん

ライブレポ!?
※前回のライブ:2000年9月16日横浜ベイホールのライブを指しています。
※曲名は書いてありません。
※彼ら:スピッツを指しています。

赤坂BLITZ。よく耳にする名のライブハウス。
都会を象徴するような、華やかなライブハウス。
過去にたった一度だけ見たことがあります。学生の時に、一度だけ。
外から眺めたその建物は、とても大きなものに見えました。
ライブハウス。それは当時の僕にとって、まったく想像もつかない未知の世界でした。
(その中には、いったいどんな夢がつまっているの?)
僕がその中に入ったのは、それから約5年後の2000年9月23日。
雨が降りしきる日の夕方のことでした。
そのとき、たしかに僕はそこにいました。
この文章は、そのときの記憶と印象をもとに、書き記したものです。
ありのままの事実よりも、感じたままの印象を。

○始まり
青く照らされたステージ。
前回のツアー同様、ここからすべては始まりました。
それまで流れていたスピッツとは無関係な音楽。
そのすべては絶ちきられ、ステージが青いヒカリに包まれました。

彼らはもう一度、僕の目の前に現れました。
その光景は、あまりにも美しかったのです。
再び呼び起こされた感動。
そして、僕は再び涙をこらえました。
それは、これからの物語にふさわしい始まりでした。

前回のライブでは、初ライブということもあってなかなかその気になれなかった僕。
彼らに共感することに、みんなと共に踊ることに、なんだか照れていたのでした。
前回のライブで、彼らに共感することの、みんなと共に踊ることの楽しさをやっと覚えた僕。
今回のライブでは、はじめから何のためらいもなくとびつづけました。
我を忘れて。何もかも忘れて。
もう、スピッツしか見えない!!!

○幸福を得ることの難しさ
前回のツアーと同様に、今回のライブも、チケットの競争率は高かったようです。
多くの人々は、夢を叶えることができずに、涙をのんだようです。
チケットを手にしているのは、多くの恵まれないファンではなく、
スピッツの名前さえ知らないようなダフ屋たち。
そんな現実に憤りを感じるとともに、自分はそのダフ屋に屈したという事実。
その事実に、後ろめたさを感じずにはいられないのでした。
でも、なんとしても僕はライブに行きたかったんです!
どうしても、行きたかったんです!
やっとの思いで手に入れたチケット。
手放したくはなかった。
もう一度、彼らに会いたかった。
ごめんなさい。みんな。

前回の例にもれず、最高の盛り上がりをみせたこの曲ですが、
このときに、ふと思い出したことがありました。
無念にもチケットに届かなかった、とある一人の女の子のことでした。
明るすぎるほどのこの曲は、彼女に横浜のライブの激しさを思い出させるといいます。
そしてそれが、今は彼らに会えないことを強く感じさせるといいます。
そして、その思いが彼女を憂鬱な気分にさせるといいます。
ダフ屋には屈したくない。けれども、どうしてもライブが見たい、と彼女は言いました。
これも、彼らを愛するがゆえの苦悩でしょうか?

そして彼女と同じように、駅の改札付近は多くの夢破れた人々であふれていました。
胸の前に掲げた紙に「チケットゆずってください。」の文字。
幸運にもチケットを手に入れた人たちはみな、
振り向くこともなく彼らの前を素通りしていきます。
それでもずっと立ちつづけて、かすかな希望を信じている彼ら。
望むものはただひとつ。「あの中へ。」 ・・・
そうして懇願している姿は、いつ見ても憐れなものでしょう?
雨の中、無言で立ち尽くすその姿に、僕はふと立ち止まりました。
けれども、僕には決してゆずれない思いがありました。
わがまま?傲慢?自分勝手?
なんと言われても、僕は夢をかなえたかったのです。
僕は彼らをふりきって、雨の中を突き進みました。

きっと誰もが、幸せになりたいことでしょう。
でも、本当に幸せになれるのは、いったいどれぐらいの人たちなのでしょう?
望む者のすべてに、幸福が与えられればいいのに・・・。
少し、複雑な気持ち。

○休息の日
日常に疲れ、憂鬱な気分になったとき、僕はいつもこの曲を思い出します。
気分が沈んでいるときに聴くこの曲は、なぜか僕を明るくさせます。
その物憂げなメロディと歌詞が、沈んだ気持ちと重なり合って、
共鳴している気がするからでしょうか?
歌詞のひとつひとつが心に響いてきます。
♪すごく元気になるのです。

○遠くから・・・
今回のライブで、僕は思い描いていたことがありました。
「遠くから・・・」
遠くから、彼らを眺めていたかったのです。
歩みを止めて、彼らを見守っていたかったのです。ゆっくりと。ゆっくりと。

彼らの登場とともに前進する周りの動きに逆らって、
僕たちはあえてその場にとどまりました。
近くて見えないなにか、遠くからだからこそ見えるなにかを求めて。

僕が立っている場所からは手を伸ばしても、彼らには届きそうにありませんでした。
けれども、手を伸ばせばたしかに届きそうな気がしたのです。
遠ければ遠いほど、彼らを近くに感じることができるのです。

僕の目には、たしかに彼らが映っていました。
近くから見たときよりも、より鮮やかに。
それはまるで、映画の中のワンシーンのような世界でした。
ときどきぼやける画面が、夢のような世界を醸し出していました。

♪遠くから、君をみていた。いつもより明るい夜だった。
♪ゆっくりと歩みを止めて、言葉も希望も忘れて。
♪少しずつ・・・♪少しずつ・・・

○夢の果て
ライブが終わると、メンバーはみんなに向かってピックやスティックを投げました。
それは、ゆるやかな弧を描いて、見知らぬ誰かのもとへと届きました。
それはまるで、結婚式で花嫁が投げた花束のよう。
幸運にして、手に入れた人、おめでとう!!
お幸せに!!!
一生の宝物だよ!!!

ライブが終わった後、興奮冷めやらぬまま、僕たちは朝まで語り合いました。
すべてのささいな出来事は、僕たちにとって大切な大切な思い出となることでしょう。
突然流れ始めた「空も飛べるはず」に、僕たちは心を奪われました。
静かな夜に鳴り響くこの音楽は、僕たちの心をつかんでいつまでも離しませんでした。
その歌詞が、メロディが心に響くのです。
そして、僕はスピッツとの出会いのときを思い出しました。

♪君と出会った奇跡が・・・

気がつくと、外は既に明るくなっていました。
駅までの道のりを、僕たちはただひたすらに歩きつづけました。
疲れ果てた僕は、部屋にたどりつくとそのまま眠ってしまいました。
一度も目覚めることなく朝まで眠りつづけました。
そして、朝の日差しとともに、いつもの平凡な毎日は始まったのでした。

おしまい。

P.S
今でも、ふと思い出すのです。
幻になるかもしれないあの曲。
そのメロディが、僕の中で、たしかに思い起こされるのです。
それは、夢を追いつづけることのはかなさを、僕に教えてくれました。
さみしさ・・・?悲しさ・・・?


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ハヤブサさん、レポありがとうございました!!!

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