スピッツ 創作テキスト
ニノウデの世界
- The bird has flown -
君はまるで鳥のようにやわらかくて
鳥のように速く
僕を、空に連れていってくれたね
空を飛ぶのは楽しくて、気持ちよくて
最高だった
でも、何度も落っこちそうになった僕は
恐怖に身を凍らせて
必死に君にしがみつくだけだった
だからいっそう深く
君の心のカギ穴に僕のカギを差し込んで
二度と離れないようにし続けた
これなら
落ちる時も二人一緒だよ、と
それなのに
ほんの気まぐれで
君はそのカギをはずしてしまった
そしてそのまま飛んでいってしまったんだ
落っこちた僕は
再び空のベッドにはい上がると
君が汚していったシーツの上で
おもむろにタバコをふかす
すべては
けむりになって消えてしまう夢
君は
まるで鳥のように冷たかった