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スピッツ ライブレポート

有明サンセット2022
2022/09/29(木) 東京ガーデンシアター(2日目)
レポ by 芽ぐみ

この日の出演アーティストは、出演順にThe Collectors、優里、エレファントカシマシ、スピッツ、の計4組。本来2020年に開催されるはずだった新木場サンセット10周年イベント「有明サンセット2020」が、コロナ禍を経てようやく2022年に実現!ということで、ダメ元でチケット先行にチャレンジしたところ幸運にも当選しまして、ありがたく参戦してきました。
当日は新幹線で東京に向かい、13時頃会場到着。14時半から始まるグッズ販売のため既に長蛇の列ができていましたが、なんとかお目当てのものをゲット。待機中たまたま前に並んでいた方に話しかけられて仲良くなり、グッズ購入後も有明ガーデン内のお店をぶらぶらしたり無印でお茶したりして楽しく過ごせました。Oさん、どうもありがとうございました!
そうこうしているうちに開場時間になったのでOさんと別れて自席へ。今回初めましてのガーデンシアター。この日の席はファミマ先行で取った4階第2バルコニーのHブロック(=テツヤ側)。ここはアリーナ席=2階らしいので、一般的な会場で言うと4階バルコニー=3階スタンド席に相当。ブロックごとに段々になってステージを丸く取り囲んでいるので(詳しくは画像検索して下さい汗)、座った時の印象は意外とステージ近め。前後の傾斜もあるので視界も遮られず快適でした。ステージの左右にはビジョンも設置され、歴代サンセット出演者リスト紹介が延々流れていました。双眼鏡をあえて持ってこなかったので肉眼で表情見るのは厳しそうだけど、ビジョンあるなら安心♪

1組目は、サンセットでは毎回必ずトップバッターなコレクターズ。スーツにどーんとユニオンジャックをあしらったボーカル加藤さん、あいかわらず声量がすごくてのっけから圧倒されました。 MCもあいかわらずで、スピッツと一緒だと会場が立派、お弁当も豪華、付き合い大事だね、俺らいつも換気悪いところでやってるから、と自虐ネタ連発で会場笑い。ちなみにコレクターズとエレカシは活動年数も近いのに今までイベントですら一度も一緒になったことが無いんだとか。へ〜意外!しかもコレクターズのほうが一年先輩らしく、「あいつら挨拶来なかったな」「俺を怒らせると怖いよ?」と加藤さん。もちろんイジリなんでしょうけどマジトーンで言うもんだからちょっとだけエレカシの皆さんが心配になっちゃいました(汗)。
それから、スピッツのイベントでは恒例の…ということでカバーのコーナー。「以前調子に乗ってロビンソンカバーしたら苦情が来たんで、今日はスピッツがまだライブでやってない曲をやります」と言って「シャララ」をカバー! さすがにロビンソン云々は加藤さんなりの冗談だとは思いますが(汗)、このシャララがまたパワフルでめちゃめちゃかっこよくて、なんというか…"説得力"がありました。その後、いつぞやの新木場サンセット出演時に楽屋で書いたという新曲も披露。新曲も既存曲もカバー曲も全部、力強いボーカルと骨太サウンドで魅了されました。さすがのカンロクで、安定のかっこよさ。メンバーみんな長身で演奏スタイルが絵になるのもまた素敵ですね。

2組目は、この日唯一の若手シンガー・優里。弾き語りではなくバンドスタイルで、ド頭からヒット曲「ドライフラワー」で会場の空気を一気に掴んでいる感じでした。路上時代に一番多くやったのがスピッツだそうで、初めて練習した曲は「チェリー」、雨の日には必ず「僕のギター」を歌っていたとのこと。心から尊敬するアーティストに呼んでもらって今この場に立っている、と感極まっている様子で、音楽をあきらめず続けてきて良かったと言って「夢じゃない」をカバー。力強いハスキーボイスで見事に優里色になっていましたが、本家とはまた別の良さがあってグッと来ました。それから自信作を持ってきた、と言って新曲を披露。"50億でも100億でも売れないほど僕のこれからの人生は価値がある"…みたいな歌詞だったのですが、さすが歌手兼YouTuberなだけあってエフェクトばりばりのリリックビデオが左右のビジョンに流れて、今時だな〜と眺めつつ鑑賞。そして締めくくりはこれまたヒット曲の「ベテルギウス」。こちらもリリックビデオが左右のビジョンに映し出されて、なかなか凝っていました。(←ただ、子供の頃からずっと「ペテルギウス」だと思っていた私には何気に衝撃映像でした。汗) 爽やかに歌い終わり、最後に自らのYouTubeチャンネルの宣伝をして優里退場。

3組目は、イベント発表時まだand moreで伏せられていたエレカシ。エレカシは音源こそちょこちょこ聴いていたもののライブに行く機会がなかなか無く、例のド・ド・ドーン!の時も落選組だったため、こうして生で見るのは99年のSET STOCK以来。あの時は野外の音響のせいもあってなんだかよく分からなかったけど、この日は違った意味で圧倒され過ぎてなんだかよく分かりませんでした。エレカシ恐るべし。ミヤジさん恐るべし。
歌いながら右へ左へ、舞台袖のカーテン掛かってるところを抉じ開けてその先まで行って戻って、マイクのコード引っかかっても歌って、客席にお尻向けてペンペン!って叩いたり豚鼻ポーズしたり"股覗き"したり、終始自由で危なっかしくて見入ってしまいました。 ステージ中央へ戻って来て、かがんで足元のコードをガサゴソ触りながら「ほんとはワイヤレスにしたほうが・・・絡まるのも面白いんだけどね」と言ってその体勢のまま「暮れゆく街の〜」って急に歌い始めたり、瞬時に合わせるバンドメンバーも凄い。 それにしても直前の優里の新曲に対して、「珍奇男」で"お金を投げてほしい"とか、「デーデ」で"心も身体も売り渡せ 金があればい"って歌うエレカシがあまりにも対照的過ぎて、なんとも味わい深いものがありました。そんな攻め攻めセットリストの中、大好きな「悲しみの果て」もやってくれて感激。 MCはミヤジさんが曲と曲の合間に勢いのまま少し喋るだけでしたが、「スピッツはトゲがあって爽やかでタフで怖くてアーティスティックでずっと進化してて…。同世代、ライバルだと思ってます」って超早口で称賛。あと、有明サンセットに呼んでくれたお礼を言う際一瞬ステージ後ろを振り返ってバックドロップ見てから(イベントタイトル言い間違えないように?)喋ったのが律儀でなんか"らしいな"と思いました。 前2組の流れでスピッツのカバーやるのかと思ったけど特に何も無く、これがエレカシだ!とシンプルに魅せつけてパッと終了。めちゃくちゃ痺れました。最後はメンバーみんな前に出てきて横一列に並び、手を繋いでお辞儀。去り際にミヤジさんが「次はスピッツ!」とだけ言ってハケていきました。

そしてラストはスピッツ! おなじみのSUGINAMI MELODYをアレンジしたSEでメンバー登場。 マサムネはストライプの入ったえんじ色?の半袖シャツ+黒ハット+黒パンツ、テツヤは肩にグリーン系のバンダナ柄が入った白のメッシュ素材トップス+柄パンツ、田村君はからし色のシンプル&オシャレなつなぎ服、崎ちゃんは胸元に花の刺繍が入ったベージュシャツ+ジーンズでした。

この日のセットリストはこちら。

01. 恋する凡人
02. 野生のポルカ
03. 不思議
04. 夏が終わる
05. 正夢
06. Only You(ボウイのカバー)
07. メモリーズ・カスタム
08. けもの道
09. 大好物
e1. 白い炎
e2. 醒めない

勢いよく「恋する凡人」からスタートし、2曲目で早くも「野生のポルカ」!後半のメンバーのコーラス声もよく通っていて一気にボルテージ上がりました。一緒に歌えないのがもどかしいっ…!
では今回も覚えてるMCネタをつぎはぎで。話題の順番や鍵かっこの中身は全くもって正確ではありませんm(__)m
まずは「こんばんはスピッツです」と挨拶したマサムネが、バルコニー右側、真ん中、左側…と各エリアの観客に声掛け。声出しNGなので呼ばれたこちら側は無言で精一杯両手をふりふり。バルコニー席には音響チェックのためマサムネも座ってみたそうで、「そこ高いの怖くないですか?怖かったら・・・ごめんなさい」で会場笑い。アリーナのお客さんにも声掛けし、振り返された大勢の揺れる手を「ああっ稲穂が…v」と嬉しそうに眺めていたのが可愛かったです。
軽い挨拶パートですぐ曲に行くかと思いきや、「ここ喋っていい?今日のゲストは思い入れがあって…」とマサムネが尋ね、「どうぞどうぞ」と応えるテツヤ。マサムネが喋ってる間もテツヤは積極的に相槌打って参加してくれました。
マサムネはコレクターズを昔から聴いてたからそれがきっと自分の中の養分になっていること、そうして出来た「シャララ」のコレクターズっぽいところをコレクターズが拾ってくれたこと、これはもうコレクターズのために書いた曲なんじゃないか?と感慨深げで、エレカシも学生の頃から聴いてたからライバルだなんて身に余る言葉、と恐縮しきり。
マ:「そんな50超えた人達の中になぜか若手の優里くん(笑)。自分が20代の頃だと、加山雄三さんとか北島三郎さんに混じってやるみたいな感じ?(会場笑)今日は加山雄三さんみたいにパワフルに…楽しい夜にしますので!」(会場拍手)
また、これは別のMCブロックだったかと思いますが、「優里くんは声伸ばした時の掠れた感じが好き」というマサムネ。両目をギュッとつぶって、好き!って実感こもった表情がビジョンに大写しになって大変ときめきました。
テ:「今日来てるお嬢様方は(優里に)鷲掴みにされたんじゃない?」
マ:「あの声だったら歌詞が算数の九九でもグッと来そうだよね。ににんがし〜♪にさんがろく〜♪」(←優里のレオのメロディで)(会場笑)
それからスピッツが今年で結成35周年、とマサムネが控えめに紹介して会場から拍手が起こる中…。
田:「でも今日そんなにありがたみ無いよね」
マ:「何が?」
↑これ、私も思わずエッ何を言い出すの?とマサムネと同じ表情で田村君を見ちゃいました。コレクターズもエレカシも歴長いから俺らの年数も霞むよねってことを田村君は言いたかったんだろうけど、言い方!(笑)
そんなマサムネ、まだインディーズの頃「エレカシっていう凄いバンドが居る、マサムネさんも宮本さんみたいにもっと自分をさらけ出さないとダメだよ」と言われたことがあるそう。
マ:「ここまでさらけ出さずに35年!(会場笑)…でもこれからは小出しにしていきます(笑)」
その流れでなぜ?ってカバー曲ですが聴いてください、という前フリでボウイの「Only you」のカバー!テンポ良くOnlyOnlyOnlyOnlyOnly…♪と歌うマサムネのにこやかな表情がビジョンにバッチリ映ってこちらも笑顔になりました。演奏もめちゃくちゃかっこよかったー!ちなみにスピッツの夏イベはカバー曲が2パターン用意されて日替わりで披露されるのが定番なのですが、前日はあゆだったそうです。そっちも聴きたかったな〜。

アンコールでは、スピ夏グッズのROCKTシャツに着替えたマサムネが脱帽して挨拶し、被り直しながら「帽子取って被るとアホ毛が気になるんですよね。大丈夫かな?」と、両手でサイドにはみ出た髪をちょんちょんと抑えるしぐさ。あざと可愛いかよッ!(笑) そして30年前の曲、と言って「白い炎」をやってくれました。CDと印象違って聴こえたのはキーが高かったからかな?あいかわらず原曲よりキー上げるって凄い!
続いて短めのメンバー紹介コーナー。 トップバッター田村君はいつも「田村です」のあと何かベースフレーズを弾くんですがこの日は無く…。新木場10周年の予定がコロナで出来なくなってしまったこと。スタッフ支援のためのグッズ販売企画をして、みんなが買ってくれたおかげでその収益を関わってるスタッフ達に還元できたこと。数年後またやれたらいいねって話してて、今こうしてやれていることが幸せ、と自分の言葉でゆっくりと丁寧に話してくれました。
田:「まだ声出しできないとか制約はあるけど、スピッツは続いていくし、サンセットも続けたいと思ってるのでまたよろしく!今日はホンッットにありがとう!」(会場拍手)
クージーは「今日「夏が終わる」をやったので、夏は終わりました!明日から秋です!」と短めに挨拶。
崎ちゃんはもっと短く、最初立ち上がってお辞儀するも、いつものシンバルごっつんは無しで「今日はありがとうございました、崎山龍男でした」でシメ。
テツヤは「今日楽屋で、最近使ってないなーと思い出した死語をひとつ言いたいと思います。ゲロゲロ!」で会場笑い。すかさずマサムネが「今日抜き打ちテストだって〜ゲロゲロ〜!みたいに使ってたんだよ。同世代以上の人は分かるんじゃないかな?」とフォローし、クスクス笑いの会場をテツヤがしばらく眺めてから「ボーカル草野マサムネ!」とバトンタッチ。
マサムネも田村君同様こうして今日イベントが出来た事に改めて感謝の意を述べ、「またホニャララサンセットやりたい」と言って会場拍手。ただこのご時世、せっかくイベントを開催しても打ち上げできずに貰ったお弁当を持ち帰るだけのようで…。
マ:「だから妄想打ち上げはどうかなと。(エアーで一人一人に乾杯する振りしながら)加藤さん、乾杯!…宮本さんも、お疲れ様です!…優里くん、ちょっとこっち来て説教するから」
テ:「ゲロゲロ!」(会場笑)
マ:(客席に向かって)「皆さんもぜひ。ホテルスピッツ、鳳凰の間でお待ちしています」(会場笑&拍手)

ラストは「醒めない」で締めくくり。あっという間の3時間半でした。気付けば「8823」どころか3大ヒット曲ひとつもやらず、レアな「白い炎」が聴けたりと、エレカシに負けず劣らず攻めたセットリストだったのでは…? 個人的には「不思議」を久しぶりに聴けてテンション上がりました。崎ちゃんの4つ打ちドラムから入ったのがワクワクしたし、「メモリーズ・カスタム」のアウトロから田村君がベースをブインブインと唸らせて「けもの道」に繋げたのも痺れました。今回結局ビジョンばかり見てしまったので、個々の表情や楽器プレイはよく見えたけど全体のステージの動きをあまり追えなかったのが勿体なかったな…(汗)。何かの曲でテツヤのすぐ横に田村君が居ていつの間に!?ってびっくりしたのは覚えてます(^^;
また、いつもは後半の盛り上がりゾーンに来る「野生のポルカ」が2曲目に来たのも意外に感じたのですが、「長かった夜が間もなく明けるよ」という歌詞にああ!となりました。まだ制約はありつつも少しずつ状況が回復してきて、やっと迎えることが出来たこの日。この辛かった日々も間もなく終わるはず、という願いが伝わってくるようで…。声は出せずとも一緒に"有明の空"を飛び回りました。次にこの曲を聴く時にはシンガロングできるようになっているといいなぁ〜。
そんなことを思いながら、心地よい余韻に浸りながら、移動式鳳凰の間(←夜行バス)で帰路に就いたのでした。

新木場スタジオコーストが無くなってしまって、来年以降どこでやるのか分かりませんが、ホニャララサンセット、きっとまた参加したい!参加できますように!そう強く願った、夏の終わりの一夜でありました。。。

Very very special thanks to Oさん♪

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